私も音楽をやっておりこのホームページの中にもピアノの弾き語りやその他の自作曲を載せています。ピアノ演奏や歌を歌った後に耳鳴りが強くなると言う訴えの方がおられます。私もその1人です。特にピアノ音のようにアタックの強い音は耳鳴を増強することがあります。このように耳鳴り音を増強する現象を残興奮(risidual excitation)といいます。一方、ホームページの他のところで残抑制(risidual inhibition)について説明していますが、これはマスカー療法によって耳鳴りを抑制する現象でした。これらのように音によっては耳鳴りを抑制または増強する場合があることに注意してください。音楽家は、自分の耳鳴を悪化させる強大音を避けることが必要です。音楽家の耳鳴り治療においても補聴器やTRTを使用しますが、演奏中はそれらを外すことが望ましいでしょう。映画や舞台ライブ鑑賞などにおいても補聴器やTRTは外すべきです。むしろ大きすぎる音を遮断する耳栓などを使用することを推奨します。耳鳴りの本質は音が聞こえないことによって起こる聴覚の誤認識です。音楽家は聴覚を酷使することにより内耳を痛めやすく、耳鳴りもその難聴に起因します。そしてその耳鳴治療は静かな環境で難聴の周波数帯域の音の入力が少ないことを補うものです。騒音下でさらに必要以上に音量上げる事は、聴覚にダメージを与えたり、残興奮の原因になります。